「矯正治療を受けたいけれど、装置が目立つのは避けたい……」
そんな想いを抱えて、裏側矯正を検討されている方は多いのではないでしょうか。
三宮エリアでも裏側矯正を提供する歯科医院が増えていますが、実はこの治療法には向き不向きがあります。装置が目立たないというメリットの裏には、いくつかの注意点も潜んでいるのです。
私は日本矯正歯科学会認定医として、これまで多くの患者様の矯正治療に携わってきました。その経験から言えるのは、裏側矯正は「誰にでも適した治療法」ではないということです。

裏側矯正とは?基本的な仕組みを理解する
裏側矯正は「舌側矯正」「リンガル矯正」とも呼ばれ、歯の裏側(舌側)にブラケットとワイヤーを装着して歯並びを整える治療方法です。
通常の表側矯正では、歯の表面に装置を取り付けるため、矯正中であることが一目でわかってしまいます。しかし裏側矯正なら、装置が歯の裏側にあるため、外からはほとんど見えません。
この治療法は1980年頃に開発され、日本では2000年頃から一般的な選択肢として普及してきました。現在では技術の進歩により、さまざまな症例に対応できるようになっています。
表側矯正との主な違い
裏側矯正と表側矯正の最大の違いは、装置を取り付ける位置です。この違いによって、いくつかの特徴が生まれます。
見た目の違いは明らかです。表側矯正では装置が歯の表面に付くため、矯正中であることが一目でわかります。一方、裏側矯正は装置が歯の裏側にあるため、外からはほとんど見えません。
この特徴は、接客業や営業職など人と接する機会が多い方にとって大きなメリットとなります。笑顔に自信を持ちながら矯正治療を続けられるのです。
技術的な面でも違いがあります。裏側矯正は表側矯正と比べて、取り扱っている歯科医院が少ないのが現状です。その理由は、裏側矯正が高度な技術を要するからです。
歯の裏側は表側よりも凸凹が大きく面積が狭いため、装置の装着には繊細な技術が必要です。また、一本一本の歯に合わせた調整が求められるため、矯正装置はオーダーメイドで作成されることが多いのです。

裏側矯正のメリット|目立たない以外の利点とは
裏側矯正には、表側矯正にはない独自のメリットがあります。治療方法を選ぶ際の参考にしてください。
最大の魅力は「目立たない」こと
裏側矯正の最大のメリットは、矯正装置が外から見えないことです。歯の裏側に装置を付けるため、笑ったり話したりしても矯正中であることがほとんどわかりません。
「矯正したいけれど、仕事上見た目が気になる」という方や、「人前で笑うのが恥ずかしい」と感じる方にとって、この特徴は大きな魅力です。
人前に立つ機会が多い職業の方、ビジネスシーンでの印象を大切にしたい方に特におすすめします。
前歯を引っ込める治療に効果的
裏側矯正は、出っ歯や受け口など、前方へ突出した歯並びを矯正して口元を引っ込める治療に向いています。これは、歯の内側からワイヤーを通すことで、より効果的に歯を動かせるためです。
裏側矯正は表側矯正と比べて、隣り合う歯と歯をむすぶワイヤーの距離が短いため、より強い矯正力が働くとされています。そのため、表側矯正よりも効率的に歯を動かせる場合があります。
舌の悪癖を改善する効果も
舌で前歯を押す癖(舌癖)がある方の場合、裏側矯正の装置が舌の動きを自然と制限するため、舌癖の改善にも効果があります。
舌癖は歯並びを悪くする原因の一つなので、この効果によって治療後の後戻りのリスクも低減できる可能性があります。
歯の表面が傷つきにくい
裏側矯正では歯の表面にブラケットを付けないため、表側のエナメル質が傷つくリスクが低減されます。また、歯の裏側は唾液が多く循環しており、唾液の自浄作用や殺菌作用によって虫歯菌が増殖しにくいという特徴もあります。
歯の裏側はエナメル質が比較的厚いため、虫歯に対する抵抗力も強いとされています。矯正中でも歯の健康を保ちやすいのは大きなメリットです。
裏側矯正のデメリット|知っておくべき注意点
裏側矯正にはメリットがある一方で、いくつかのデメリットも存在します。治療を始める前に、これらのデメリットもしっかり理解しておきましょう。
装着時の違和感と痛み
裏側矯正では、装置が舌に触れるため、特に治療初期には違和感や痛みを感じることがあります。舌は非常に敏感な組織なので、装置に慣れるまでに時間がかかる場合が多いです。
多くの患者様は1〜2週間程度で慣れてきますが、人によっては適応に時間がかかることもあります。場合によっては口内炎ができることもあります。
これらの症状も通常は数週間で慣れてきますが、初期の不快感は表側矯正よりも強く感じる方が多いようです。
発音への影響
裏側矯正は舌の動きに影響するため、特に「さ行」や「た行」などの発音が一時的に難しくなることがあります。話す機会が多い職業の方は、この点を考慮する必要があるでしょう。
ほとんどの場合、数週間程度で発音は改善していきますが、人によっては適応に時間がかかることもあります。
歯磨きの難しさ
裏側矯正では、歯の裏側に装置があるため、歯磨きがやや難しくなります。特に奥歯の裏側は見えにくく、ブラシが届きにくいため、丁寧なケアが必要です。
歯科医院では専用の歯ブラシや歯間ブラシ、ウォーターピックなどの使用を勧められることが多いです。毎日のケアを怠ると、虫歯や歯周病のリスクが高まります。
治療期間がやや長くなる可能性
裏側矯正は技術的に難易度が高く、調整にも時間がかかるため、表側矯正と比べて治療期間がやや長くなる傾向があります。
ただし、個人差や症例によって異なりますので、詳しくは矯正専門医に相談してください。
費用が高めになる
裏側矯正は表側矯正と比較して、費用が高くなる傾向があります。これは装置の製作や調整に高い技術が必要なためです。
費用は歯科医院によって異なりますので、治療前によく確認しておくことが大切です。

裏側矯正が向いている人|こんな方におすすめ
裏側矯正は万能ではなく、向き不向きがあります。自分に合った矯正方法を選ぶために、以下のポイントを参考にしてください。
矯正装置を目立たせたくない方
矯正装置を目立たせたくない方には、裏側矯正が最適です。特に以下のような方におすすめします。
- 接客業や人前で話す機会が多い方
- ビジネスシーンでの印象を大切にしたい方
- モデルやスポーツ選手など、見た目が重要な職業の方
- 学生さんで、矯正中であることを知られたくない方
人前に立つ仕事の方や、ビジネスシーンでの印象を大切にしたい方に特におすすめです。
出っ歯を気にされている方
裏側矯正は、特に前歯を引っ込めるのが得意な装置のため、出っ歯(上顎前突)を気にされている方に適した装置と言えるでしょう。
歯の裏側から力をかけることで、より効率的に前歯を引っ込めることができるのです。
外傷リスクを避けたい方
歯の表側に装置があると、唇や頬の内側の組織が常にブラケットに触れているため、コンタクトスポーツや不慮の顔面への接触により、怪我をするリスクが高くなります。
裏側の装置の場合、このリスクは大きく減らすことができます。スポーツ選手の方には特に適しています。
裏側矯正が向かない人|別の治療法を検討すべきケース
以下のような方は、裏側矯正よりも他の矯正方法が適している可能性があります。
発音が重要な職業の方
会話やコミュニケーションが重要なお仕事の場合、裏側矯正の「しゃべりにくい」というデメリットが大きな障害となる可能性があります。
アナウンサーや教師、営業職など、話すことが仕事の中心となる方は、表側矯正やマウスピース矯正を検討した方が良いかもしれません。
費用を抑えたい方
裏側矯正は表側矯正の倍近くの費用がかかってしまうため、費用を抑えたい方には向いていません。
表側矯正でも、半透明のブラケットを使用すれば、ある程度目立ちにくくすることができます。
重度の不正咬合の方
噛み合わせに大きなズレがある場合や、重度の叢生(歯のガタガタ)がある場合、骨格的な問題がある場合は、裏側矯正では対応できない可能性があります。
このような症例では、表側矯正や外科手術を併用した矯正治療が必要になることがあります。

三宮で裏側矯正を選ぶ際のチェックリスト
三宮エリアで裏側矯正を検討される際は、以下のポイントをチェックしてください。
日本矯正歯科学会認定医が在籍しているか
裏側矯正は高度な技術を要する治療法です。日本矯正歯科学会認定医の資格を持つ歯科医師が在籍しているかどうかは、重要なチェックポイントです。
日本の歯科医師のうち、日本矯正歯科学会認定医は3%にも届きません。この資格を持つ歯科医師は、学会が認める専門的な知識と技術を身につけています。
裏側矯正の実績は十分か
裏側矯正の治療実績が豊富な医院を選ぶことが大切です。公式ホームページに症例写真(ビフォーアフター)が掲載されているかをチェックしましょう。
症例写真が多い医院は、多くの患者様の治療経験があり、安心して治療を任せられます。
精密な検査と診断を行っているか
矯正治療を成功させるためには、精密な検査と正確な診断が欠かせません。優れた矯正歯科医院では、治療を始める前に口腔内全体を把握するための詳細な検査を行います。
セファログラムと呼ばれる頭部X線規格写真やCT撮影、歯型の採取、咬合検査などが基本的な検査項目です。これらの検査により、顎の大きさや位置関係、歯の傾き、噛み合わせの状態などを詳細に分析できます。
費用の内訳が明確か
治療費のトータル金額が明確で、追加料金の有無がはっきりしているかを確認しましょう。
分割払いや医療ローンが利用できるかどうかも、重要なチェックポイントです。
通いやすさとアフターケア
矯正治療は数年単位の治療になるため、通いやすさも重要です。予約の取りやすさ、診療時間、土日診療の有無などを確認しましょう。
また、治療中のサポート体制やアフターケアの充実度も、医院選びの重要なポイントです。

まとめ|自分に合った矯正方法を選ぶために
裏側矯正は「目立たない」という大きなメリットがある一方で、発音への影響や費用の高さ、装着時の違和感といったデメリットも存在します。
大切なのは、メリット・デメリットをよく理解した上で、仕事や生活への影響がどの程度あるのか考えることです。
私は日本矯正歯科学会認定医として、患者様一人一人のお口の状態やライフスタイルに合わせた最適な治療法をご提案しています。
裏側矯正が向いているかどうかは、歯並びの状態や生活スタイル、ご予算など、様々な要素を総合的に判断する必要があります。
まずは歯科医師・矯正医としっかり相談して決めることをお薦めします。
整った歯並びは、ご自身の歯をずっと使い続けるために不可欠なものです。当院では矯正を患者様の10年後、20年後、さらに先の人生を豊かにする治療方法だと考え、一人一人の患者様と真摯に向き合って治療に臨んでいます。
三宮で裏側矯正をお考えの方は、ぜひ一度無料矯正相談にお越しください。あなたに最適な矯正治療をご提案させていただきます。
詳細はこちら:三宮Lulu矯正歯科

著者情報
三宮Lulu矯正歯科 院長 竹内 優斗
[経歴]
日本矯正歯科学会 認定医
近畿東海矯正歯科学会
インビザライン プラチナプロバイダー
兵庫県歯科医師会
神戸市歯科医師会
神戸市西区歯科医師会
Before
After
