マウスピース矯正の費用比較のポイントを解説
マウスピース矯正は、従来のワイヤー矯正と比べて目立ちにくく、取り外しができるという大きなメリットがあります。しかし、「費用がどれくらいかかるのか」「自分に合った矯正方法はどれなのか」といった疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
この記事では、日本矯正歯科学会認定医として多くの矯正治療を手がけてきた経験から、マウスピース矯正の費用相場や選び方のポイントについて詳しく解説します。
矯正治療は10年後、20年後の歯の健康に大きく影響する重要な治療です。適切な情報をもとに、あなたに最適な矯正方法を見つけるお手伝いができれば幸いです。
マウスピース矯正とは?特徴と基本情報
マウスピース矯正とは、透明なプラスチック製のマウスピースを使って歯を少しずつ動かしていく矯正方法です。従来のワイヤー矯正とは異なり、目立ちにくく取り外しが可能という特徴があります。
マウスピース矯正では、歯の動きに合わせて数週間ごとに新しいマウスピースに交換していきます。一般的に1日20〜22時間の装着が推奨されていますが、食事や歯磨きの際には取り外すことができるため、日常生活への影響が少ないのが大きな魅力です。
特に社会人の方や人前に立つ機会の多い方から選ばれることが多く、近年では矯正治療を検討する方の中でも人気の高い選択肢となっています。
どうでしょうか?従来の矯正装置のイメージとはかなり異なりますよね。
マウスピース矯正は、見た目の良さだけでなく、口内トラブルのリスクも低減できます。ワイヤー矯正では装置が口腔内に固定されるため、食べ物が挟まりやすく、歯磨きも難しくなりがちです。一方、マウスピース矯正なら取り外して通常通り歯磨きができるため、虫歯や歯周病のリスクを抑えられます。
マウスピース矯正の費用相場
マウスピース矯正の費用は、治療範囲や症状の程度によって大きく異なります。大きく分けると「部分矯正」と「全体矯正」の2種類があり、それぞれ費用相場が異なります。
部分矯正の費用相場:10〜45万円
部分矯正は前歯など見た目を重視した限定的な矯正で、費用は比較的抑えられます。一般的な費用相場は10万円から45万円程度です。
前歯のみの軽度なガタつきや、すきっ歯の改善などが対象となります。治療期間も短く、半年程度で完了するケースも少なくありません。
ただし、部分矯正では奥歯の噛み合わせまで含めた全体的な調整はできないため、見た目の改善が主な目的となります。
全体矯正の費用相場:60〜100万円
全体矯正は奥歯を含めた全ての歯を対象とした矯正治療で、費用相場は60万円から100万円程度です。
見た目の改善だけでなく、噛み合わせの調整など機能面の改善も目的としています。治療期間は1年半から3年程度かかることが一般的です。
全体矯正は費用が高くなりますが、歯並びと噛み合わせを総合的に改善できるため、長期的な歯の健康を考えると推奨される選択肢です。
矯正治療は見た目だけでなく、将来の歯の健康を左右する重要な投資です。
実際に、マウスピース矯正経験者へのアンケート調査によると、マウスピース矯正の平均費用は61.7万円という結果が出ています。これはワイヤー矯正の平均費用75.4万円と比較すると、やや安価な傾向にあります。
ただし、個々の歯並びの状態や選択するブランド、クリニックによって費用は大きく変動します。安さだけで選ぶのではなく、治療内容や自分の症状に合っているかを優先して検討することが大切です。
主要マウスピース矯正ブランドの費用比較
マウスピース矯正には様々なブランドがあり、それぞれ特徴や費用が異なります。ここでは代表的なブランドについて、特徴と費用を比較してみましょう。
インビザライン
インビザラインは世界的に最も普及しているマウスピース矯正ブランドです。治療実績が豊富で、幅広い症例に対応できるのが特徴です。
費用相場は80万〜100万円程度と高めですが、3Dスキャン技術を用いた精密な診断と治療計画、治療後のシミュレーションが可能です。当院でも採用しており、世界トップレベルの治療実績を持つブランドとして信頼性が高いです。
キレイライン矯正
キレイライン矯正は日本国内のブランドで、前歯の部分矯正に特化しています。費用相場は20万〜46万円程度と比較的リーズナブルです。
治療期間も短く、最短2.5ヶ月から治療が可能とされています。ただし、奥歯まで含めた全体矯正や複雑な症例には対応していないため、症状によっては選択できない場合があります。
アソアライナー
アソアライナーは日本のメーカーが提供するマウスピース矯正装置です。患者さんの口腔内の状況に応じて、ソフト・ミディアム・ハードの3タイプの硬さのマウスピースを使い分けるのが特徴です。
費用相場は40万〜80万円程度で、日本国内で製作されるため比較的早く治療を開始できます。軽度から中度の症例に対応しています。
各ブランドには一長一短があります。価格だけでなく、自分の症状に適しているか、担当医の経験や技術力なども含めて総合的に判断することが大切です。
マウスピース矯正の追加費用に注意
マウスピース矯正を検討する際は、基本料金だけでなく追加で発生する可能性のある費用についても理解しておくことが重要です。
初診料・検査料
治療開始前には、精密検査やカウンセリングの費用が発生します。一般的に3万円〜10万円程度かかることが多いです。
3Dスキャナーを使用した検査や、治療計画の立案、治療後のシミュレーションなどが含まれます。クリニックによっては無料カウンセリングを実施しているところもあります。
調整料・再診料
治療中の定期的な通院時には、調整料や再診料が発生することがあります。クリニックや料金体系によって異なりますが、1回あたり5,000円〜13,000円程度です。
通院頻度は一般的に1〜2ヶ月に1回程度ですが、治療の進行状況によって変わることもあります。
保定装置(リテーナー)費用
矯正治療が終了した後も、歯が元の位置に戻るのを防ぐために保定装置(リテーナー)の装着が必要です。この費用は別途3万円〜10万円程度かかることが一般的です。
保定期間は個人差がありますが、最低でも1〜2年、場合によっては生涯にわたって夜間のみ装着することもあります。
こうした追加費用は、クリニックによって料金体系が異なります。大きく分けると「処置別支払い制」と「総額制」の2種類があります。
処置別支払い制は、治療の各段階で費用を支払う方式で、初期費用は抑えられますが、トータルでいくらかかるか見えにくいデメリットがあります。
一方、総額制(トータルフィー制)は、治療開始前に総額が提示される方式で、追加費用の心配が少ないメリットがあります。
治療を始める前に、どのような費用が含まれていて、どのような追加費用が発生する可能性があるのか、しっかりと確認しておくことが大切です。
マウスピース矯正の費用を抑える方法
マウスピース矯正は決して安い治療ではありませんが、いくつかの方法で費用負担を軽減することができます。
医療費控除を活用する
年間の医療費が10万円を超えた場合、確定申告をすることで医療費控除が受けられます。矯正治療は自由診療ですが、医療費控除の対象となります。
例えば、年収500万円の方が60万円の矯正治療を受けた場合、約6万円の税金が還付される可能性があります。
デンタルローンを利用する
多くの歯科医院では、医療ローンやクレジットカード分割払いに対応しています。一括で支払うのが難しい場合は、月々の支払いに分割することで負担を軽減できます。
例えば、60万円の治療費を36回払いにすると、月々約1.7万円程度の支払いになります(金利は別途)。
当院でもクレジットカード決済や医療ローンをご用意しておりますので、お気軽にご相談ください。
部分矯正を検討する
全体の歯並びではなく、前歯など見た目を重視した部分矯正を選択することで、費用を抑えることができます。
ただし、部分矯正では噛み合わせなど機能面の改善は限定的なため、長期的な歯の健康を考えると全体矯正がおすすめです。症状や目的に応じて、歯科医師と相談しながら最適な方法を選びましょう。
費用を抑えることは大切ですが、安さだけで選ぶと後悔することもあります。質の高い治療を受けることで、長期的には再治療のリスクや歯のトラブルを減らせる可能性が高くなります。
マウスピース矯正とワイヤー矯正の比較
マウスピース矯正を選ぶべきか、従来のワイヤー矯正を選ぶべきか迷われる方も多いでしょう。それぞれのメリット・デメリットを比較してみましょう。
見た目と快適さの比較
マウスピース矯正は透明で目立ちにくく、取り外しも可能なため、見た目や快適さを重視する方に適しています。食事や歯磨きの際に取り外せるため、口腔ケアがしやすいのも大きなメリットです。
一方、ワイヤー矯正は装置が目立ちやすく、装着感もあります。食べ物が挟まりやすく、歯磨きも難しくなるというデメリットがあります。
治療効果と適応範囲の比較
ワイヤー矯正は様々な症例に対応できる高い治療効果が特徴です。重度の不正咬合や複雑な歯の移動が必要な場合でも対応可能です。
マウスピース矯正は適応範囲が限られており、重度の症例には向かない場合があります。特に大きな歯の移動や回転、噛み合わせの大幅な調整が必要な場合は、ワイヤー矯正の方が効果的なことが多いです。
費用と治療期間の比較
費用面では、マウスピース矯正の平均費用が61.7万円、ワイヤー矯正が75.4万円と、マウスピース矯正の方がやや安い傾向にあります。
治療期間については、症例によって異なりますが、一般的にマウスピース矯正は患者さん自身の装着時間の遵守が重要になります。指示通りに装着しないと治療期間が延びる可能性があります。
どちらの矯正方法が適しているかは、歯並びの状態や生活スタイル、予算などによって異なります。専門医による診断を受け、自分に最適な方法を選ぶことが大切です。
マウスピース矯正の選び方のポイント
マウスピース矯正を選ぶ際には、いくつかの重要なポイントがあります。後悔しない選択をするために、以下のポイントを参考にしてください。
歯科医師の専門性と経験
マウスピース矯正は装置だけでなく、それを扱う歯科医師の専門性と経験が治療結果を大きく左右します。日本矯正歯科学会の認定医・専門医などの資格を持つ医師を選ぶことをおすすめします。
実は、日本の歯科医師のうち、日本矯正歯科学会認定医は3%にも満たないのです。専門的な知識と技術を持った医師に治療を任せることで、より良い結果が期待できます。
当院の院長は日本矯正歯科学会認定医の資格を持ち、大阪大学歯学部附属病院矯正科での6年間の経験を活かした高い専門性と幅広い対応力を有しています。
治療計画と説明の丁寧さ
治療前のカウンセリングや検査、治療計画の説明がどれだけ丁寧かも重要なポイントです。3Dシミュレーションなどを用いて治療後のイメージを共有してくれるクリニックは、治療への理解が深まり安心感につながります。
また、治療にかかる費用や期間、起こりうるリスクなどについても、明確に説明してくれるクリニックを選びましょう。
アフターケアの充実度
矯正治療は終了後も保定期間が必要です。治療後のフォローアップがしっかりしているクリニックを選ぶことで、長期的に良好な状態を維持できます。
保定装置の調整や定期検診の体制が整っているか、また急なトラブル時の対応はどうかなども確認しておくと安心です。
マウスピース矯正は決して安い買い物ではありません。しかし、適切な矯正治療は10年後、20年後の歯の健康に大きく貢献します。短期的な費用だけでなく、長期的な視点で選ぶことが大切です。
まとめ:あなたに合ったマウスピース矯正を選ぼう
マウスピース矯正は、目立ちにくく取り外しができるという大きなメリットがあり、多くの方に選ばれています。費用面では部分矯正なら10〜45万円、全体矯正なら60〜100万円程度が相場となっています。
マウスピース矯正を選ぶ際は、単に費用の安さだけで判断するのではなく、歯科医師の専門性や経験、治療計画の丁寧さ、アフターケアの充実度なども含めて総合的に判断することが大切です。
また、自分の症状や生活スタイルに合った矯正方法を選ぶことも重要です。重度の不正咬合の場合はワイヤー矯正の方が適している場合もあります。専門医による適切な診断を受けることをおすすめします。
矯正治療は決して安い買い物ではありませんが、適切な治療は将来の歯の健康に大きく貢献します。10年後、20年後の自分の歯の健康を考え、後悔しない選択をしましょう。
当院では無料矯正相談を実施しております。マウスピース矯正に興味がある方は、ぜひお気軽にご相談ください。あなたの歯並びの状態や生活スタイルに合わせた最適な矯正方法をご提案いたします。
詳しい情報や無料相談のご予約は、三宮Lulu矯正歯科のウェブサイトをご覧ください。あなたの素敵な笑顔のために、専門的な知識と経験を持った歯科医師がサポートいたします。
著者情報
三宮Lulu矯正歯科 院長 竹内優斗
[経歴]
日本矯正歯科学会 認定医
近畿東海矯正歯科学会
インビザライン プラチナプロバイダー
兵庫県歯科医師会
神戸市歯科医師会
神戸市西区歯科医師会