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マウスピース矯正の痛みにはロキソニン?|専門医が教える正しい対処法

2025.08.18

マウスピース矯正で痛みが生じる原因とは?

マウスピース矯正を検討されている方から、「痛みはどのくらいあるのですか?」というご質問をよくいただきます。矯正治療と痛みは切っても切れない関係にあるため、このような不安を抱かれるのは当然です。

マウスピース矯正は従来のワイヤー矯正と比較すると痛みは軽減されますが、まったく痛みがないわけではありません。歯を動かす以上、ある程度の痛みは伴います。

痛みの程度は個人差が大きいものの、多くの患者さんは「窮屈な感じ」「圧迫感」「違和感」といった表現で説明されることが多いです。

歯が移動することによる痛み

マウスピース矯正における痛みの主な原因は、歯が移動する際に生じるものです。矯正治療では、歯に力を加えて少しずつ移動させていきますが、このとき歯根膜という歯の周りの組織が伸び縮みします。

歯根膜が伸び縮みすると、その部分の骨が新しく作られたり吸収されたりすることで、徐々に歯が動いていきます。この過程で痛みや違和感が生じるのです。

特に新しいマウスピースに交換した直後は、設計された位置と現在の歯の位置にズレがあるため、ぎゅっと締め付けられるような感覚を感じやすくなります。

歯根膜が敏感になることによる痛み

矯正中は歯根膜が敏感になっているため、普段なら何ともないような刺激でも痛みを感じやすくなります。例えば、硬いせんべいやステーキなど、強く噛む必要がある食べ物を食べると痛みが強く感じられることがあります。

これは歯根膜が矯正による圧力で敏感になっているためで、通常は数日で慣れてくることが多いです。

粘膜への刺激による痛み

マウスピース矯正では、マウスピース自体やアタッチメントと呼ばれる歯に付ける小さな突起が口腔内の粘膜を刺激して痛みを感じることがあります。

特にマウスピースを外した際に、アタッチメントが裸の状態になるため、食事の際など口を動かすときに頬や唇の内側を傷つけてしまうことがあるのです。

こうした痛みは、矯正に慣れるまでの一時的なものであることがほとんどです。

マウスピース矯正の痛みはいつからいつまで続く?

マウスピース矯正の痛みについて、いつからいつまで続くのかを知ることは、治療に対する心の準備をするうえで重要です。

多くの患者さんが痛みを強く感じるのは、新しいマウスピースに交換した後の2〜3日間です。その後は徐々に痛みが和らいでいき、1週間程度で慣れてくることがほとんどです。

初めてマウスピースを装着したとき

マウスピース矯正を始めたばかりのときは、口の中に異物があることへの違和感と、歯に加わる圧力による痛みの両方を感じることがあります。

初めての装着では、マウスピースに慣れるまでの違和感と、歯が動き始めることによる痛みが重なるため、不快感が強く感じられることがあります。

しかし、多くの場合、この初期の痛みや違和感は3〜4日程度で徐々に軽減していきます。

新しいマウスピースに交換したとき

マウスピース矯正では、通常7〜14日ごとに新しいマウスピースに交換していきます。新しいマウスピースは、現在の歯の位置よりも少し先の位置に設計されているため、交換直後は再び締め付け感や痛みを感じることがあります。

この痛みのサイクルは治療期間中繰り返されますが、多くの患者さんは徐々に慣れていき、交換後の痛みも軽減されていくことが多いです。

痛みのピークは交換後1〜2日目で、その後は徐々に和らいでいきます。

マウスピース矯正の痛みにロキソニンは使える?

マウスピース矯正中の痛みが強い場合、痛み止めの服用を検討される方も多いでしょう。ロキソニンなどの鎮痛薬の使用について正しく理解しましょう。

結論から言うと、矯正中の痛みに対して鎮痛薬を服用すること自体は可能ですが、種類や服用のタイミングには注意が必要です。

ロキソニンの効果と矯正治療への影響

ロキソニンの主成分であるロキソプロフェンナトリウムは、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)に分類される鎮痛薬です。痛みの原因となる炎症を抑える作用があり、効果的に痛みを和らげることができます。

しかし、矯正治療において注意すべき点があります。矯正治療による歯の移動は、実は「炎症反応」を利用しています。歯に力が加わることで周囲の組織に軽い炎症が起き、その結果として骨の改造が進み、歯が動いていくのです。

ロキソニンなどの抗炎症作用のある鎮痛薬は、この炎症反応を抑制してしまうため、理論上は歯の移動を遅らせる可能性があります。

矯正中に推奨される鎮痛薬

矯正治療中の痛みに対しては、アセトアミノフェン(カロナール、タイレノールなど)が比較的推奨されています。アセトアミノフェンは中枢神経に作用して痛みを和らげますが、抗炎症作用が弱いため、歯の移動への影響が少ないと考えられています。

ただし、どのような薬でも長期間の常用は避けるべきです。痛みが強い場合は一時的に服用する程度にとどめ、継続的に痛みがある場合は担当医に相談することをおすすめします。

マウスピース矯正の痛みを和らげる効果的な方法

マウスピース矯正の痛みに対しては、鎮痛薬以外にも様々な対処法があります。日常生活の中で実践できる効果的な方法をご紹介します。

柔らかい食べ物を選ぶ

マウスピース矯正中、特に新しいマウスピースに交換した直後は、歯根膜が敏感になっているため、硬い食べ物を噛むと痛みが増すことがあります。

痛みが強いときは、おかゆ、スープ、ヨーグルト、豆腐、煮物など、柔らかい食べ物を選ぶと良いでしょう。噛む力をあまり必要としない食事に切り替えることで、痛みを軽減できます。

また、冷たいものも痛みを和らげる効果があります。アイスクリームやシャーベットなどの冷たいデザートは、痛みの緩和と気分転換の両方に役立ちます。

冷やす方法

痛みを感じる部分を冷やすことも効果的です。冷却効果により、一時的に痛みを和らげることができます。

氷嚢や冷却パックを頬の外側から当てる、冷たい飲み物を少しずつ口に含む、などの方法があります。ただし、あまり長時間冷やしすぎないよう注意しましょう。

15分程度冷やした後は、同じくらいの時間休憩を入れるのが良いでしょう。

マウスピースの装着時間を守る

マウスピース矯正では、1日20〜22時間の装着が推奨されています。この装着時間を守ることは、痛みの管理にも関係しています。

マウスピースを長時間外していると、歯が元の位置に戻ろうとする「後戻り」が始まります。そして再び装着すると、また一から歯を動かす必要があるため、余計な痛みを感じることになります。

痛みが気になるからといって装着時間を短くするのではなく、むしろ指示通りにしっかり装着することで、歯の移動をスムーズに進め、結果的に痛みの期間を短縮できます。

リムーバーを使用する

マウスピースの着脱時に痛みを感じる場合は、専用のリムーバー(取り外し器具)を使用すると良いでしょう。

指だけでマウスピースを外そうとすると、無理な力がかかって痛みが増すことがあります。リムーバーを使えば、効率よく均等な力でマウスピースを取り外せるため、痛みを軽減できます。

また、マウスピースの着脱はゆっくりと丁寧に行うことも大切です。急いで外そうとすると、歯や粘膜を傷つけてしまうことがあります。

痛みを感じる際の注意点と専門医への相談タイミング

マウスピース矯正中に痛みを感じることは一般的ですが、どのような場合に歯科医師に相談すべきか、また避けるべき行動についても知っておくことが大切です。

避けるべき対処法

痛みを感じたときに、以下のような対処法は避けるべきです。

まず、痛みがあるからといって長時間マウスピースを外すことは避けましょう。装着時間が不足すると、歯の移動が不十分になるだけでなく、再装着時に強い痛みを感じる原因になります。

また、自己判断での鎮痛薬の長期連用も避けるべきです。特に抗炎症作用の強い薬は、歯の移動を遅らせる可能性があります。痛み止めを使用する場合は、担当医に相談し、適切な種類と用量を守りましょう。

さらに、マウスピースを無理に調整しようとすることも避けてください。自己流の調整は、マウスピースの効果を損なうだけでなく、治療計画に支障をきたす可能性があります。

歯科医師に相談すべきタイミング

以下のような場合は、担当の歯科医師に相談することをおすすめします。

まず、痛みが1週間以上続く場合です。通常、新しいマウスピースに交換してから数日で痛みは軽減していきますが、1週間以上強い痛みが続く場合は、何らかの問題が生じている可能性があります。

また、特定の歯だけが強く痛む場合や、噛み合わせに違和感がある場合も相談が必要です。マウスピースが正しく適合していない可能性があります。

さらに、マウスピースに亀裂や変形がある場合も、早めに歯科医院に連絡しましょう。破損したマウスピースを使用し続けると、治療効果が得られないだけでなく、予期せぬ問題が生じる可能性があります。

マウスピース矯正とワイヤー矯正の痛みの違い

マウスピース矯正とワイヤー矯正では、痛みの質や程度に違いがあります。それぞれの特徴を理解することで、自分に合った矯正方法を選ぶ参考にしてください。

痛みの程度の違い

一般的に、マウスピース矯正はワイヤー矯正と比較して痛みが少ないと言われています。これは、マウスピース矯正が歯を少しずつ段階的に動かしていくのに対し、ワイヤー矯正では一度に複数の歯に力がかかるためです。

マウスピース矯正では、7〜14日ごとに少しずつ異なるマウスピースに交換していくため、一度にかかる力が分散され、痛みも比較的マイルドになります。

一方、ワイヤー矯正では、ワイヤーの調整後に強い痛みを感じることが多く、特に調整直後の数日間は食事が困難なほどの痛みを感じる方もいます。

痛みの種類の違い

痛みの種類にも違いがあります。マウスピース矯正では主に「圧迫感」や「違和感」として痛みを感じることが多いのに対し、ワイヤー矯正では「鋭い痛み」や「擦れによる痛み」を感じることがあります。

また、ワイヤー矯正では装置が頬や唇の内側に当たって口内炎ができやすいという問題もありますが、マウスピース矯正ではこうした問題は比較的少ないです。

ただし、マウスピース矯正でもアタッチメントという小さな突起を歯に付けることがあり、これが粘膜を刺激することはあります。

まとめ:マウスピース矯正の痛みと上手に付き合うために

マウスピース矯正における痛みは、治療の過程で生じる自然な反応です。痛みの程度には個人差がありますが、多くの場合は一時的なものであり、数日で軽減していきます。

痛みへの対処法としては、柔らかい食べ物を選ぶ、冷やす、リムーバーを使用するなどの方法があります。また、痛み止めとしてはアセトアミノフェン系の薬が比較的推奨されていますが、使用する際は担当医に相談することをおすすめします。

マウスピース矯正はワイヤー矯正と比べて痛みが少ないとされていますが、それでも不安がある方は、事前にカウンセリングで詳しく相談することが大切です。

矯正治療は、美しい歯並びを手に入れるための投資です。一時的な痛みや不快感を乗り越えることで、将来的には健康的な口腔環境と自信に満ちた笑顔を手に入れることができます。

当院では、患者さん一人ひとりの状態に合わせた丁寧な説明と、痛みを最小限に抑えるための様々な工夫を行っています。マウスピース矯正に興味がある方は、ぜひ一度無料相談にお越しください。

詳しい情報や無料相談のご予約は、三宮Lulu矯正歯科のウェブサイトからお問い合わせいただけます。あなたの理想の笑顔への第一歩をサポートいたします。

著者情報

三宮Lulu矯正歯科 院長 竹内優斗

[経歴]

日本矯正歯科学会 認定医

近畿東海矯正歯科学会

インビザライン プラチナプロバイダー

兵庫県歯科医師会

神戸市歯科医師会

神戸市西区歯科医師会

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