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矯正中の口内炎対策|痛みを軽減する5つの方法と予防のコツ

2025.11.19

矯正中に口内炎ができやすい理由

矯正治療を始めてから「口内炎が絶えない」と感じている方は少なくありません。

実は、矯正中の口内炎には明確な原因があります。ブラケットやワイヤーなどの矯正装置が、頬の内側や唇、舌などの粘膜に直接触れることで、摩擦や刺激が生じます。この物理的な刺激が、口内炎の最も大きな原因となっているのです。特にワイヤー矯正では、ブラケットの角やワイヤーの端が粘膜に当たりやすく、傷ができやすい状態になります。

また、矯正を始めたばかりの時期や、装置を調整した直後は、口の中がまだ装置に慣れていないため、口内炎ができやすいタイミングです。

マウスピース矯正の場合でも、マウスピースのフチが粘膜に当たったり、取り外しの際に粘膜を傷つけたりすることがあります。さらに、マウスピースを装着していると唾液の流れが制限され、口の中が乾燥しやすくなるため、細菌が繁殖しやすい環境になってしまうのです。

矯正治療中は、装置による物理的な刺激に加えて、治療の痛みや不便さによるストレス、食事の制限による栄養バランスの乱れなども、免疫力の低下を招きます。これらの要因が重なることで、「口内炎だらけ」という状態になりやすいのです。

矯正中にできる口内炎の種類を知る

矯正中にできる口内炎には、いくつかの種類があります。

それぞれの特徴を理解することで、適切な対処法を選ぶことができます。

装置が原因の「カタル性口内炎」

矯正治療中に最も多く見られるのが「カタル性口内炎」です。これは、矯正装置やワイヤーが舌や口の粘膜に当たって傷つくことで起こる口内炎で、物理的な刺激が直接の原因となります。頬の内側や唇の裏が部分的に赤く腫れたり、水ぶくれができたりするのが特徴です。また、傷がついた部分と周囲の境界線が分かりにくく、唾液の量が増えて粘り気が強くなることもあります。

カタル性口内炎は、お口の粘膜に当たる部分を改善すると、数日で治ることがほとんどです。

ストレスや栄養不足による「アフタ性口内炎」

「アフタ性口内炎」は、白くて丸い口内炎で、数ミリ程度の大きさが特徴です。白い部分の周りは赤く囲まれた状態になっており、食事の度に痛みが出たり、しみたりします。疲れ・ストレス・睡眠不足などによる免疫力の低下や、ビタミンB2などの栄養不足が原因と考えられています。矯正治療中は食事の制限や咀嚼の不便さから栄養バランスが乱れやすく、また治療への不安やストレスも影響するため、アフタ性口内炎ができやすくなります。

約10日で治ることがほとんどですが、なかなか治らない場合や何度も繰り返す場合には、他の病気が原因の可能性もあります。

その他の口内炎

「カンジダ性口内炎」は、口の中が不衛生になるとカビの一種である「カンジダ菌」が増殖し、口内炎を引き起こします。白い膜ができるのが特徴です。「ウイルス性口内炎」は、ヘルペスなどのウイルス感染が原因で、水ぶくれができて破れた後にかさぶたができます。「アレルギー性口内炎」は、金属アレルギーを持っている人に起き、矯正装置の金属に反応して赤く腫れることがあります。

痛みを軽減する5つの対処法

口内炎の痛みが続くと、食事や会話が困難になり、日常生活に大きな支障をきたします。

ここでは、矯正中の口内炎に効果的な5つの対処法をご紹介します。

対処法1:矯正用ワックスで装置を保護する

矯正装置によるこすれや傷が原因の場合には、「矯正用ワックス」の使用が効果的です。矯正用ワックスは矯正装置を覆う粘土のようなもので、ブラケットやワイヤーに付けることで摩擦を軽減し、口内炎の痛みの緩和・再発予防の効果があります。主に治療を受けている歯科医院で購入できます。

使い方は簡単です。まず手を洗って清潔な状態にし、ワックスを5mmくらい指でちぎって丸めます。装置周辺に水分がついているとワックスがつきにくいので、ティッシュなどで拭き取ってから、ブラケットの凹凸に入り込むようにしっかり付けていきます。両端のワイヤーまでカバーするようにつけると外れにくくなります。

対処法2:口内炎用の薬を使用する

市販薬や医院で処方される口内炎用の薬を使用することで、痛みや炎症を和らげることができます。軟膏タイプ、直接貼るパッチタイプ、スプレータイプなどがあり、炎症を鎮める効果があります。貼るタイプ(パッチ)の口内炎の薬は、口内炎ができたところにピタッと貼ることでブラケットの刺激も軽減されます。

マウスピース矯正の場合は、マウスピースのフチが粘膜に当たって口内炎の原因になっている場合、歯科医師に相談して調整してもらいましょう。また、口内炎用の軟膏や保護パッチは、患部を覆うことで外部からの刺激や痛みをやわらげる働きがあります。

対処法3:刺激の少ない食事を心がける

口内炎ができているときは、食事内容に工夫が必要です。カレーやキムチなどの辛いもの、レモンなど酸っぱい食べ物、熱いもの、味の濃いもの(しょうゆ・ソースなど)、糖質の多いもの(ごはん・パンなど)、甘いもの(ケーキ・お菓子類など)、アルコール類、炭酸飲料は、炎症が起きている部分の刺激になったり、口内炎が治りにくくなったりするため避けた方がよいでしょう。

シチューやリゾット、茶碗蒸しやゼリー、ヨーグルトなどのとろみがあるものがおすすめです。

対処法4:口内炎に触らない

基本中の基本ですが、口内炎に触らないことが重要です。口内炎は刺激するとその分炎症がひどくなったり、完治までの期間が長引いてしまったりするリスクがあります。口内炎ができてしまったら、手や舌で触れないのはもちろん、ブラッシング時や食事時もなるべく刺激しないように工夫しましょう。食事の際は、口内炎ができていない側で噛むなどの対処法があります。

対処法5:矯正装置を調整してもらう

矯正用ワックスを使っても口内炎が改善されない場合や、同じ場所に何度も口内炎ができる場合は、矯正装置自体の調整が必要かもしれません。日常生活に支障がでるようでしたら、一度受診することをお勧めします。歯科医師に相談して矯正装置の調整をしてもらうことで、装置の位置や形状を調整し、口の中の粘膜への刺激を減らすことができます。

口内炎を予防するための生活習慣

矯正中に口内炎を予防するには、毎日の生活習慣の見直しが効果的です。

口腔内を清潔に保つ

まず大切なのは、口腔内を清潔に保つことです。汚れや細菌が口内炎を悪化させることがあるため、歯磨きで口の中を清潔にすることが重要です。装置周辺は歯ブラシだけでは磨き残しが出やすいため、歯間ブラシやタフトブラシを併用しましょう。マウスピース矯正の場合は、マウスピースに細菌や汚れが付着していると口内環境が悪化し、口内炎ができやすくなるため、毎日専用の洗浄剤やぬるま湯で清潔な状態を保ちましょう。

歯磨き後にマウスウォッシュを活用して口腔内を殺菌することも有効です。殺菌効果のあるマウスウォッシュや、ぬるま湯に塩を溶かした塩水で口をゆすぐことで、細菌の繁殖を抑えられる場合があります。刺激の強い製品は避け、低刺激タイプを選ぶようにしましょう。

栄養バランスのとれた食事を摂る

栄養バランスのとれた食事も不可欠です。口内炎予防として、摂取したい栄養素を意識して取り入れてみてはいかがでしょうか。

「ビタミンB群」は細胞の新陳代謝を促進し、口内の粘膜を健康に保つために重要です。特に、牛乳や卵、レバー、納豆などに含まれるビタミンB2や、魚や肉、バナナ、じゃがいもなどに含まれるビタミンB6は、口内炎の予防に効果的です。また、ブロッコリー、納豆、チーズ、レバー、ウナギ、ささみ、大豆、マグロ、アボカドなども良いでしょう。

「ビタミンC」には抗酸化作用があり、口の中の健康を保つために重要です。トマトやピーマンなどの緑黄色野菜、イチゴ、オレンジ、レモン、ブロッコリー、キウイなどに含まれ、コラーゲンの生成を助け、傷の治りを早める効果もあります。

「鉄分」不足は口内炎の原因の一つとされています。赤身の肉、レバー、ほうれん草、豆類などから鉄分を十分に摂取することで、口内炎の予防につながります。「亜鉛」は、牡蠣、牛肉、卵、ナッツなどに含まれ、免疫機能を維持し、口の中の粘膜を健康に保つために必要です。「タンパク質」は、肉、魚、豆腐、豆類などに代表され、体の組織を修復し、健康を維持するために必要です。

十分な睡眠とストレスケア

免疫力が落ちると口内炎が治りにくくなるため、しっかりと睡眠をとることも大切です。また、ストレスをため込まないような生活習慣を意識することが、回復を早めることがあります。適度な運動やリラクゼーションも有効で、趣味や運動で解消することを心がけましょう。

口腔内の乾燥を防ぐ

水分をこまめにとったり、口を軽く動かすと、唾液の分泌を促します。ガムを噛むのも唾液の分泌に良いとされていますが、マウスピースを外してから行うようにしましょう。マウスピース矯正の場合、マウスピースを装着していると唾液の流れが一部制限されてしまい、口の中が乾燥しやすくなります。唾液には粘膜を保護する役割があるため、乾燥することで細菌が繁殖しやすくなり、結果として口内炎が生じる可能性があります。

丁寧な装置の取り扱い

マウスピースの着脱時に粘膜を引っかけてしまうことがないよう、ゆっくり丁寧に扱ってください。特に爪で引っ張ると口の中を傷つけるリスクがあるため、専用のリムーバーを使用しましょう。マウスピースを外すときに無理な力がかかると、爪やマウスピースの角が粘膜を傷つけることがあり、その傷が炎症となって口内炎になる場合もあります。

長引く口内炎は早めに受診を

通常、矯正によってできた口内炎は1〜2週間ほどで自然に治ります。

しかし、何度も繰り返したり、10日以上治らない場合は、他の病気が原因となっていることも考えられます。ウイルス性やアレルギー性の口内炎は自己判断が難しいため、早めに歯科医院や口腔外科を受診しましょう。痛みが強い・長引く(10日以上続く)などの場合は、早めに歯科医院や口腔外科を受診し治療を受けることが大切です。

口内炎が続くことで食事や会話に支障をきたし、栄養状態が悪化するリスクもあります。矯正治療をスムーズに進めるためにも、早期の対応が重要です。脱水症状を防ぐためにも水分補給はしっかり行いましょう。

また、口内炎ができる原因や症状はそれぞれ異なります。症状が長引く場合や悪化する場合は、早めに歯科医師へ相談することが大切です。

まとめ:正しい知識とケアで快適な矯正生活を

矯正中に口内炎が頻発するのは、装置による物理的な刺激や生活習慣の乱れが主な原因です。

痛みがひどい場合でも、矯正用ワックスや薬、食事の工夫で症状を軽減できます。さらに、日常的に栄養管理や口腔ケア、ストレス管理を行うことで、口内炎の予防が可能です。正しい知識とケアを身につければ、「矯正中の口内炎だらけ」は防げます。

矯正治療は、あなたの10年後、20年後の人生を豊かにする治療方法です。整った歯並びは、ご自身の歯をずっと使い続けるために不可欠なものです。口内炎の痛みで治療を諦めることなく、適切な対処法を実践しながら、美しい歯並びを手に入れましょう。

矯正中の口内炎でお悩みの方、これから矯正治療を始めようとお考えの方は、ぜひ専門の歯科医師にご相談ください。日本矯正歯科学会認定医としての知識と経験を活かし、患者様一人一人に合わせた最適な治療とケア方法をご提案いたします。

詳細はこちら:三宮Lulu矯正歯科

著者情報

三宮Lulu矯正歯科 院長 竹内 優斗

[経歴]

日本矯正歯科学会 認定医

近畿東海矯正歯科学会

インビザライン プラチナプロバイダー

兵庫県歯科医師会

神戸市歯科医師会

神戸市西区歯科医師会

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