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インビザライン治療中の喫煙が及ぼす6つの悪影響と対処法

2025.11.19

インビザライン治療と喫煙の関係性

インビザライン治療を始めると、日常生活のさまざまな習慣について見直す必要が出てきます。特に喫煙習慣がある方にとって、「インビザライン中にタバコを吸っても大丈夫なのか」という疑問は切実です。

結論からお伝えすると、インビザライン治療中でも喫煙は可能です。しかし、喫煙がマウスピースや口腔内環境、そして矯正治療の効果に与える影響は決して小さくありません。

私は日本矯正歯科学会認定医として、多くの患者さまの矯正治療に携わってきました。その経験から、タバコがインビザライン治療に与える影響について詳しくお伝えします。

インビザライン治療中の喫煙がもたらす6つの悪影響

喫煙習慣がインビザライン治療にどのような影響を与えるのか、具体的に見ていきましょう。

1. マウスピースの変色

インビザラインの最大の魅力は、透明なマウスピースで目立ちにくいという点です。しかし、タバコのヤニやタールはマウスピースに付着して変色を引き起こします。

特にマウスピースを装着したまま喫煙すると、透明だったアライナーが茶色く変色してしまい、せっかくの「目立たない矯正」というメリットが損なわれてしまいます。変色したマウスピースは見た目が悪く、清潔感も損ねてしまうのです。

私の患者さまの中にも、「人に気づかれないように矯正したい」という理由でインビザラインを選んだにもかかわらず、喫煙によってマウスピースが変色し、かえって目立ってしまったというケースがありました。

2. マウスピースの劣化

タバコの成分はマウスピースの素材に悪影響を与え、劣化を早める可能性があります。タバコのヤニやタールがアライナーに付着すると、素材が変質して本来の弾力性や強度が失われることがあるのです。

劣化したマウスピースは変形や破損のリスクが高まり、治療効果が低下する恐れがあります。マウスピースが破損した場合は新しいものに交換する必要があり、追加費用が発生することもあります。

マウスピースの劣化は目に見えにくいため、気づかないうちに治療効果が落ちている可能性もあります。これは治療期間の延長につながることもあるのです。

3. 歯の動きの遅延

喫煙は血流を悪くする作用があります。タバコに含まれるニコチンは血管を収縮させ、歯や歯茎への血流を減少させてしまうのです。

矯正治療では、歯に適切な力を加えることで歯を少しずつ動かしていきます。この過程では血流が重要な役割を果たしており、血流が悪くなると歯の動きが遅くなってしまう可能性があります。

つまり、喫煙習慣があると治療計画通りに歯が動かず、結果的に治療期間が延びてしまうリスクがあるのです。

4. 歯周病リスクの増加

喫煙は歯周病の主要なリスク因子です。タバコは歯茎の血流を悪くし、免疫機能を低下させるため、歯茎に炎症を引き起こしやすくなります。

インビザライン治療中は、マウスピースと歯の間に細菌が溜まりやすくなります。通常よりも丁寧な口腔ケアが必要な時期に喫煙をすると、歯周病のリスクがさらに高まってしまうのです。

歯周病が進行すると歯を支える骨が溶けてしまい、せっかく矯正で整えた歯並びが台無しになる可能性もあります。最悪の場合、歯を失うリスクもあるのです。

5. 口臭の悪化

タバコは口臭の原因となります。さらに、喫煙によって唾液の分泌量が減少し、口腔内が乾燥しやすくなります。

唾液には口の中を洗浄する「自浄作用」があり、細菌の繁殖を抑える働きがあります。唾液が減ると、この自浄作用が弱まり、口臭がさらに悪化する可能性があるのです。

インビザラインのマウスピースは密閉性が高いため、口臭の原因となる物質がマウスピース内に閉じ込められ、より強い口臭を引き起こすことがあります。これは社会生活において大きな悩みになることもあるでしょう。

6. 虫歯リスクの上昇

喫煙は唾液の分泌を減少させるだけでなく、タバコのタールが歯に付着しやすくなります。タールは粘り気があるため、歯の表面に汚れを付着させやすくするのです。

インビザライン治療中は、マウスピースを装着している時間が長いため、通常よりも丁寧な歯磨きが必要です。喫煙によって歯の汚れが増えると、虫歯のリスクが高まります。

虫歯が発生すると、インビザライン治療を一時中断して虫歯の治療を行う必要が出てくることもあります。これも治療期間の延長につながる要因となるのです。

電子タバコや加熱式タバコの影響は?

「電子タバコや加熱式タバコなら大丈夫なのでは?」と考える方もいらっしゃるでしょう。確かに、これらは従来の紙巻タバコと比較すると、一部の有害物質の量は少ないとされています。しかし、インビザライン治療への影響という観点では注意が必要です。

電子タバコ(VAPE)の場合

日本で市販されている一般的な電子タバコは、ニコチンを含んでいないものが多いです。そのため、ニコチンによる血流への悪影響は比較的少ないと考えられます。

また、燃焼を伴わないため、タールなどの発生も少なく、マウスピースの変色リスクは紙巻タバコより低いでしょう。しかし、電子タバコの蒸気に含まれる成分がマウスピースの素材に与える影響については、まだ研究データが十分ではありません。

電子タバコの健康への長期的な影響についてもまだ不明な点が多いため、インビザライン治療中は使用を控えるか、使用する場合でもマウスピースを外して使用することをお勧めします。

加熱式タバコ(IQOS等)の場合

加熱式タバコはタバコ葉を使用し、ニコチンを含んでいます。そのため、ニコチンによる血流への悪影響は紙巻タバコと同様に懸念されます。

紙巻タバコと比較するとタールの発生量は少ないとされていますが、マウスピースへの着色リスクはゼロではありません。特に喫煙頻度が高い場合は、徐々に変色する可能性があります。

加熱式タバコも、使用する場合はマウスピースを外して使用し、使用後は口腔内を清潔にしてからマウスピースを装着するようにしましょう。

インビザライン治療中に喫煙する場合の対処法

理想的には、インビザライン治療中は禁煙することが最も望ましいです。しかし、すぐに禁煙することが難しい方もいらっしゃるでしょう。そのような場合は、以下の対処法を参考にしてください。

マウスピースを必ず外す

喫煙する際は、必ずマウスピースを外しましょう。マウスピースを装着したまま喫煙すると、タバコのヤニやタールがマウスピースに直接付着し、変色や劣化の原因となります。

マウスピースを外す際は、清潔なケースに保管し、埃やバクテリアから守ることも重要です。ポケットやティッシュに包むだけの保管は避けましょう。

喫煙のたびにマウスピースを外すのは面倒に感じるかもしれませんが、マウスピースの状態を保つためには必要な手間です。

喫煙後の口腔ケア

喫煙後は、マウスピースを装着する前に口腔内を清潔にすることが重要です。以下のステップを心がけましょう。

まず、喫煙後はすぐに水でうがいをして、口の中に残っているタバコの成分を洗い流します。可能であれば、歯磨きをして口腔内を清潔にしましょう。外出先で歯磨きが難しい場合は、少なくとも水でしっかりとうがいをしてください。

また、定期的にフロスや歯間ブラシを使用して、歯と歯の間の清掃も忘れないようにしましょう。これにより、タバコの成分が歯に付着するリスクを減らすことができます。

マウスピースのケア

インビザラインのマウスピースは定期的に洗浄することが重要です。特に喫煙習慣がある方は、より丁寧なケアが必要です。

マウスピースの洗浄には、専用のクリーナーを使用することをお勧めします。歯磨き粉での洗浄は、研磨剤によってマウスピースに傷がつく可能性があるため避けましょう。

毎日の洗浄に加えて、週に1〜2回は洗浄剤を使った深い洗浄を行うと良いでしょう。これにより、目に見えない汚れや細菌を効果的に除去することができます。

喫煙回数の削減

すぐに禁煙することが難しい場合は、喫煙回数を徐々に減らしていくことを検討しましょう。喫煙回数が減れば、それだけマウスピースを外す頻度も減り、装着時間を確保しやすくなります。

インビザライン治療では、1日20〜22時間のマウスピース装着が推奨されています。喫煙のためにマウスピースを外す時間が長くなると、治療効果が低下する可能性があります。

喫煙回数を減らすことは、インビザライン治療の効果を高めるだけでなく、全身の健康にも良い影響を与えます。

インビザライン治療中の禁煙のすすめ

インビザライン治療は、美しい歯並びを手に入れるための投資です。せっかくの治療効果を最大限に引き出すためにも、この機会に禁煙にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

禁煙によって得られるメリットは多岐にわたります。まず、インビザライン治療の効果が最大限に発揮され、治療期間が短縮される可能性があります。また、口腔内の健康が改善され、歯周病や虫歯のリスクが低下します。

さらに、タバコによる口臭や歯の着色が改善され、より清潔で美しい口元を手に入れることができます。全身の健康面でも、循環器疾患や肺疾患のリスク低下など、多くのメリットがあります。

禁煙は決して簡単なことではありませんが、インビザライン治療という新しいスタートと合わせて、健康的な生活習慣を始める良いきっかけになるかもしれません。

禁煙に興味がある方は、禁煙外来や禁煙補助薬の利用も検討してみてください。専門家のサポートを受けることで、禁煙成功率が高まります。

まとめ:インビザライン治療を成功させるために

インビザライン治療中の喫煙は、マウスピースの変色や劣化、治療効果の低下、口腔内の健康悪化など、さまざまな悪影響をもたらす可能性があります。理想的には禁煙することが望ましいですが、すぐに禁煙することが難しい場合は、適切な対処法を実践することが重要です。

喫煙する際は必ずマウスピースを外し、喫煙後は口腔内を清潔にしてからマウスピースを装着しましょう。また、マウスピースの定期的な洗浄も忘れないようにしてください。

インビザライン治療は、美しい歯並びを手に入れるための投資です。その効果を最大限に引き出すためにも、喫煙習慣については今一度見直してみることをお勧めします。

当院では、インビザライン治療に関するご相談はもちろん、禁煙に関するアドバイスも行っています。美しい歯並びと健康な口腔内環境を手に入れるために、お気軽にご相談ください。

あなたの「ずっと美しい笑顔」のために、私たち三宮Lulu矯正歯科がサポートいたします。詳しくは三宮Lulu矯正歯科のウェブサイトをご覧ください。

著者情報

三宮Lulu矯正歯科 院長 竹内 優斗

[経歴]

日本矯正歯科学会 認定医

近畿東海矯正歯科学会

インビザライン プラチナプロバイダー

兵庫県歯科医師会

神戸市歯科医師会

神戸市西区歯科医師会

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